【知れば勝ち組】需給による3つの空売りタイミング
- 2019.05.02
- 投資手法
空売りは需給の悪化を狙い撃ち
空売りは需給の変化を狙い撃ちする手法です。需給の変化は様々な要因によってもたらされますが、現在のような大量の投資資金が株式や債券に流入している金融相場では、短期的な資金の流れによって個別銘柄の株価の変化率が高くなります。
その意味では、テクニカルやファンダメンタルズに拘った空売り手法よりも、センチメントを重視すると時として効率よく値幅を取ることができると個人的には判断しています。
その中でも特に次の3つのポイントに着目してご紹介いたします。
米国市場のセンチメント悪化
日本市場は言うまでもなく、米国市場に対し極めて連動性が高いことは周知の事実です。であるならば、この連動性に着目して、米国の地合いの変化を予想することで、ポジションを建てるという手法が非常に有効になってきます。
特に、米国のセンチメントが悪化した場合、米国市場と同時に日経平均CFDが下がり、翌朝の日経平均のギャップ・ダウンを誘います。このギャップ・ダウンの幅は場中でもなかなか難しいほどキツイものとなる可能性が高く、また米国市場の連動性を重視するために、なかなか日本市場で独自に戻る、と言うことが起き辛い展開になります。
なので、ギャップ・ダウンからでもそこそこの値幅が出ることもあり、成功すれば主力銘柄ではかなりのパフォーマンスが期待できます。
また、このポイントを狙うもう一つの理由は、米国市場の特性に起因しています。つまり、米国市場は日本市場よりもはるかに市場の特性が素直である、と言うことです。
日本市場は海外勢にとってはマネーゲーム市場であって、先物を使った株価操作は日常茶飯事であり、そうした動きが非常に厄介な需給を作り出してしまいます。その点、米国市場では、必要資金量の問題もありますが、そうした株価操作が非常に少ないわけで、材料に素直に反応し、思った以上に予測しやすいのです。
私の場合、日本市場の後場に米国市場のセンチメントをある程度予測してポジションを建てて、翌日の前場に決済するという手法を用いることが多いですね。
下落トレントでの信用取り組みの悪化
株価が下落してゆくと、逆張り狙いの買いが入り易くなってきます。すると本来買い方の投げで信用買いは減少するはずの需給が、返って信用買いが増加することになり、空売りの買い戻しによってリバウンドの局面でも戻りが甘くなってしまいます。
こうした信用取り組みが著しく悪化(信用買いの増加)してしまった銘柄は、上昇が限定的とみなされて、なかなか底打ち出来ずにダラダラと下げる場合がかなり多いわけです。
このような局面になると、需給の悪化を見越した売り方が再度の売りを仕掛けてくる可能性が高まります。
株価の位置は確かに低くなっていて、ともすれば売り辛い局面ではあるものの、需給の悪化が上値を抑えつけますので、私の経験からは大きな値幅は狙えないものの、より深い2番底を目指す場合が非常に多いです。
この局面は、ダメ押しの空売りを狙ってもいい局面だと思います。
下落トレンドでの持ち合いブレイク
株価が悪材料等個別の需給悪化により下げている局面で、一旦は下げ止まったかに見える持ち合いとなる場合があります。しかし、この局面での買いは非常に危険で、裏を返すと空売りの絶好のタイミングなのです。
急落後の持ち合いというのは、買い方の投げと空売りの買い戻しが拮抗して起こります。素直にリバウンドしてゆけば、需給は一応の引き締まりを見たと判断でき、戻り売りの水準までは素直に株価は上昇するでしょう。
しかし、そこで持ち合いになった場合は、基本的に買い方の処分ができていないと判断でき、また売り方も徐々に買い戻しを減らし、再度売り転換してきます。このとき、持ち合いで新規に買った買い方も巻き込んで、さらなる下落となる可能性が高いわけです。
このポイントは、絶対に見逃せない空売りチャンスとなりますね。
慎重に構えるべき空売りタイミング
一方、一見勝てそうに見えて、実は需給は悪化していないという、危険なポイントも存在します。今回は、【知れば勝ち組】というタイトルでの空売りポイントの紹介なので、その勝ちを溶かさないために注意すべきポイントを紹介しておきます。
具体的にはテクニカルで「騙し」となるようなポイントで空売りポジションを建てること、と言うことです。
天井サイン
株価の上昇局面では、日足チャートで典型的な天井サインと見られる形状が出現することがあります。確かにそのような形状が出るときには、利食い圧力が強まっているのは確かですが、よほど出来高がない限りは需給的に微妙なことも多く、そこでの売りポジションは慎重に構えるべきです。
一晩置いて翌日の需給で売り方が強いと判断できるまで待つ、位の姿勢で勝負に出るべきです。
上昇トレンドでの移動平均線ブレイク
上昇トレンドで株価と移動平均線が大きく乖離し、過熱感が出始めると利食い売りが優勢となって、移動平均線をブレイクする位置まで売られることがあります。チャートテクニカルでは移動平均線ブレイクは一見売り建てのタイミングのようですが、ここまで売られたことによって目先の需給は改善している場合が多く、絶対に手が出せない(空売り出来ない)局面です。
レンジ相場
基本的にレンジ相場とは、短期の需給が拮抗している場合に起きるものです。安易なテクニカルではレンジ上限で売りポジションを建てて、下限で買い戻す、といった戦略がありますが、持ち合いレンジ内では需給の裏付けがないために、思ったほど値幅を獲ることは容易でないと言うのが私の意見です。
わざわざそういうリスクの取り方をするべきではありませんし、他の銘柄を探すべきだと思います。
まとめ
金融相場は、ある意味センチメントの変化による売買の傾向が強くなる相場でもあります。特に短期的には、市場で売買する資金が増えることによって、ボラティリティが拡大するために、空売りの有効性は高まります。
そうした中で、個人投資家もロング(買い)/ショート(空売り)を積極的に使った投資戦略によって、勝ち組への道が開けると思います。
市場の傾向にもよると思いますが、今は買いだけで挑むのは厳しい地合いだということですね。
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