高市新首相はサッチャー、メルケルに並べるか!?

高市新首相はサッチャー、メルケルに並べるか!?

22時から高市新首相の記者会見を見ていたけれど、流石にテキパキと応える様は、今までになかった首相像を見た思いがした。相変わらず質問する記者のレベルが低いのが気になるけれど、まぁ就任最初の会見と言うこともあり、別段荒立てる必要もないわけで。そういう意味でも様々な政策に精通しているということは、閣僚のコントロールをする能力に長けていることとかなり同義であるに違いない。

そして閣僚人事だけど、やはり問題になりそうなのは誰がどの程度官僚達と丁々発矢でやりあえるかが未知数なところ。あっという間に官僚色に染められるレベルの追い付かない人もいるだろう。そんな時、高市首相はどうその閣僚と向き合うのかが非常に興味深い。もちろん初の女性首相ということで男女間の偏見もいまだに残っているだろうし、やりやすいわけがないのだが、その壁を打破する手段として英国のマーガレット・サッチャー元首相は「鉄の女」に徹していたわけで・・・。

もう一人、ドイツのアンゲラ・メルケル元首相も連想されるけれど、メルケルは元物理学者と言う経歴のせいか、理詰めで慎重な政治手法だったらしい。

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この両女性トップリーダーはイギリスとドイツという、日本とは比較にならないほどの男性社会という背景があるし、男女平等から多様性の推進という建前はあっても、男性優位の根深い伝統が政治の世界にはあったわけで、その中で国を預かるという立場は並大抵ではなかったと思うしね。

彼女たちと肩を並べたいと思うなら、サッチャー「自由主義と小さな政府」メルケル「安定と統合」という一貫した国家理念が必要で、ならば高市は何か?と言われてすぐに答えられないことが辛いよね。またサッチャーもメルケルも「理系女子」なんだよ。だから結構合理的な考え方が出来たという事らしい。

最も今の日本はサッチャー時代の「英国病」と言われた状況に似てる。規制緩和・減税・自由競争を推進し、それが財政規律の建て直しに寄与したという実績がある。つまり財政を吹かして、ゆるゆるにして経済を活性化するというのとはかなり異なる路線で、まずは規制緩和・減税・自由競争を徹底的に推進することで、財政を立て直したという手法だった。

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なので何でも投資をすればいいというものでもなくて、現在の日本の制度改革をもっと真剣に考えないと、全部無駄になる可能性もあるし、その結果財政の悪化だけが残るということもあり得る。とにかく日本のシステムは「活力を奪う」ことばかり。制度は古いし、意味もなくなってきてる。なので政策が実効のあるものにするための社会制度改革が非常に重要で、バカみたいにDX化すればいいと思ってる低能政治家、低能大臣だけは勘弁してほしい。

何でもスマホで出来る社会がそんなにいいか?って思うしね。そんなのは災害があったり、犯罪が発生したり、と言う場合にはほとんど役に立たなくなる。そもそも経済的な履歴を国民に求める税制とも相性が悪い。さらに言えば地方自治体のシステム統合が出来ないから、マイナンバーもほとんど役に立ってないし。細かな部分は言っても仕方ないけれど、政策効果を期待するならまずグラウンドを整備しないとダメってことだね。

と言うわけでまずは首相として決してブレない国家観と国家理念を示さないとね。ただ共通する点もいくつかあって、やはり国家のリーダーなので「私生活」は犠牲になる。ワークライフバランスを捨てるといった高市を批判するアホは放っておいて、そんなものが国家のリーダーにあるはずがないしね。そこはサッチャーもメルケルも同じだから。そしてその姿を国民が見て、判断するものだからね。

とにかく高市首相には信念を貫いてほしいもの。なんだかこの人にはそれが出来そうな気がするんだけどね。