米当局の演出がエグかったCPI/小売売上高

米当局の演出がエグかったCPI/小売売上高

今夜発表された米国4月CPIは、ブルームバーグの言うように若干の低下となった。そして、4月小売売上高は数字のマジックを用いて前月比横ばいを演出してる・・・。これらを見る限り、「どうぞ、株を買ってください!」と言わんばかりの数字に非常に良くチューニングしてあると思う・・・。

21:30 (米) 4月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 0.4% 0.4% 0.3%
21:30 (米) 4月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 3.5% 3.4% 3.4%
21:30 (米) 4月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前月比] 0.4% 0.3% 0.3%
21:30 (米) 4月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比] 3.8% 3.6% 3.6%
21:30 (米) 4月 小売売上高 [前月比] 0.7%
(0.6%)
0.4% 0.0%
21:30 (米) 4月 小売売上高(除自動車) [前月比] 1.1%
(0.9%)
0.2% 0.2%

改めて眺めると、株式市場にとって現状としては理想的であると同時に十分に練られた数字だよなぁ・・・。まずCPIに関しては、問題なのは「家賃と原油」ということに集中させることに成功してる。他の物価は下がりつつあるけれど、問題児のせいでこういう数字になりましたってね。だから景気が弱くなると家賃は契約更改時には下がるので安心してください、みたいなね。原油に関しては、たっぷりあるので少々のことでは上昇しませんってね。中東のリスクプレミアムが拡大するようなら、シェールの増産情報を流して抑え込みますから、という安心感をもたらすことに成功。ウクライナやガザの紛争は影響ありません、ってね。

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そしてスタフレ懸念が盛り上がらないように、2月、3月の小売売上高をシレっと下方修正しておいて、数字がマイナスにならないように配慮!?。徐々に悪化はしてるけれど大丈夫って言いたいらしい。でも悪化してることはしてるので、利下げ期待を十分に拡大することに成功してて、株価は上昇、米国債金利は低下で金融不安をなんとか抑え込む。

CPI/小売売上高は当局にとってはまさに100点満点の出来栄えだったに違いない。

でもいつまでこんなことを続けるつもりなのかな?とつくづく考えさせられる。株式市場の暴落リスクというのは、取り沙汰されてるうちは大丈夫、というけれど、まさにその通りなんだね。みんなが、危ない!危険!というようなことは発生しないし、また発生したとしてもそういう情報が流れてる限り、想定内の出来事として処理させるわけで、深手にはならない。

でも、今の豊かさは、欧米にしても日本にしても、全部借金がベースなのでやがてはどうにもならなくなって、制度が持たなくなる。今だって米国では歳出の最大項目が国債の利払いなのだから、ある意味時間の問題とも言える。

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イエレン財務長官は日本の為替介入を諸手で歓迎しているわけではなくて、何度も何度も牽制するような発言を繰り返しいているしね。日本も日銀が利上げが出来ない財政状況、経済状況であるというのはバレバレだけど、FRBが利上げしなくてもドル売り・円買いを一番嫌がってるのは米国なんじゃないか?って思うんだよ。

イエレンにとっては株式市場はどうでも良くて、問題なのは債券市場だってこと。日本が為替介入をしたのは明らかだけど、今回も米国債を売ってドル資金を準備したわけではなくて、約20兆円あると言われる外貨準備(外為特別会計)が使われた。けれども財務省はいまだに介入したとは言ってないし、イエレンは絶対に肯定するな!とお冠。協調介入したと言われてる韓国も同様だけどね。

もしも、大統領選挙前に債券市場がグタグタになったとなると、流石にイエレンもその名声に汚点を残すのだろうから(別に残してもいいと思うけどね)。それほど今は、日本や韓国が米国債を売りましたという情報は危険すぎるだろうから。

というわけで、当局の思惑通り、CPI/小売売上高は何事もなく通過し、株式市場は利下げ期待が高まっての大幅高という結果になりました。チャンチャン!