令和の米騒動:米価の高騰は単純に需給の崩れが原因!

令和の米騒動:米価の高騰は単純に需給の崩れが原因!

連日大きな騒ぎとなっている、と言っても過言ではない日本の「米騒動」だけど、何故これまで米価が上昇したのか?と言う事と江藤大臣の時に放出した備蓄米が流通に乗らないじゃないか!という事、そして小泉進次郎が大臣になったら即備蓄米が流通に乗って販売されたのは何故だ、という事も含めてとにかく疑問だらけで、YOUTUBER等が適当な動画を作ってYOUTUBEなどで流すものだから、フェイク情報が氾濫してしまい混乱しているという構図。

そうなると、みんな適当に想像して、というか適当に悪者をでっち上げて、批判して稼ぐ、みたいなことをやり始めるし、生成AIを使いまくって作られた本物っぽい映像を見せられて・・・、こうなるともう収拾がつかなくなってるというのが現状なのかもしれない。

株式投資の場合、様々なことを推理し推論し、値動きを読むという作業が必須な関係上、自分自身は世の中の出来事に関して敏感であることは確かで、その意味でも米騒動に関しても自分なりに事実の把握に努めてきた。そしてどうやら今回米価が高騰してしまった理由は、非常に単純に需給バランスが崩れたから、と理解するしかないと思った。

米価高騰の理由はタイトな需給

米の流通はかなり複雑で、そもそも日本人の主食を全国津々浦々に行きわたらせるには、当然単純ではないことは分かるけれど、それでもJA全農の下に卸が4社も5社もあって、最終小売店という構図はいささか多すぎるわけで、そこに供給不足が生じれば、当然価格に対する影響は大きくなるだろう。

政府は常に需給バランスで米価を一定水準に維持しようという政策をとってきた。なので作り過ぎて価格が下がるのを嫌がり減反政策を推し進めてきた。ところが農家の米はJA全農経由で流通に回るばかりでもなくて、政府の備蓄米にも回るし、直販される場合もある。インバウンドでコメの需要が増えたという理由もあるし、米国の圧力で一定の輸入米を引き取ってもいるわけで、そうなると適切に需要量を把握できている部署が政府にもJA全農にもないということがある。

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株式市場も需給バランスが崩れたりすれば、激しい値動きになるわけだが、上昇しだすと買いが買いを呼ぶという現象になるのと同じで、流通の卸業者は米価格が上昇しだすと、当然普段よりも多く在庫しようとする。幾重にも重なった卸業者がたとえ10%でも在庫を積み増そうとすれば、途端に品不足になってしまう。

米価は約2倍に跳ね上がったわけで、株式市場では珍しいことではないよね。みんなが買いたければすぐに品薄となる、いまの株式市場のような感じで需給が常にタイトになっていたということだろう。

さらに米価の上昇要因としては、昨年、新米の収穫量が前年比101%と発表されたけれど、この数字もかなり怪しいらしく、多くの農家の実感は昨年よりも不作だったという情報も多くある。米価をコントロールする意味で、政府やJA全農の発表に忖度が働いたという可能性も大いにある。これは米国の雇用統計と同じような感じかもしれない。

またブランド米ブームも一役買っていて、高額なブランド米よりも安い米でいいという消費者が多いと思われるから、いきおいスタンダードな米が不足することに成り、それが米全体に飛び火したということもあったと思う。日本人なら安いコメが陳列棚にないのなら高いブランド米を買うでしょう。

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そういう消費行動が意味するものは、いかに現状の生活が増税、増税で苦しくなってるか、の表れでもあると思うわけですよ。

失敗したのは需給が読めない農水省の米政策

なので、JA全農や流通業者を悪者にして済ますような事をしてはいけないと思うし、新たに農相となった小泉進次郎は、政府備蓄を吐き出していち早く流通に乗せて販売したから凄いということもないんです。実際に備蓄米を大量放出しても、精米やら物流やら、倉庫や人手、はたまたタイトなトラック運転手の確保など、カネと時間がかかり易々と販売までは行きつくはずがないんですよ。

そこで、あらかじめ大手小売企業に打診して様々な確保を指示して準備が出来たら、小泉進次郎を農相にして政府備蓄米放出キャンペーンのようなことをした。だから入札なんかしてる場合ではなくて随意契約なんですよ。随意契約で出せば、JA全農や卸業者をカットできるので、政府は多額の利益が出る。こういうシナリオを書けるのは政治家には無理で、特に小泉進次郎では逆立ちしても1000%無理で、多分Zの仕業だともっぱらの(信頼できる筋の)意見です。

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流通を再構築しないと・・・

さてそうして政府自ら流通を崩したわけで、これって民間の利益を吸い上げたことになるので民業圧迫ですかね。それに政府備蓄が空になったら当然日米交渉で米国産の米を大量に買うことになるんでしょう。その場合、単年度ではなくて何年も続けないと米側は承知しない。けれども国内産の新米も全然買わないということも出来ないので、結局米価は需給で決まるということになるんだろうと思うし、ブランド米の価格も徐々に下げざるを得なくなる。

娘が送ってくれた「新之助」という新潟のブランド米なんか5kgで¥5,600くらいするみたいだけど・・・。いやいや、流石に美味いんですよ、これが。普段は北海道産の「ななつぼし」が好きでずっと食べていたんだけどね。米騒動のお陰で「新之助」を覚えちゃったよ。

でもね、古古米も古古古米も、政府の備蓄倉庫は冷蔵保存なので、結構旨いらしいんです。玉木が言った「1年経つと家畜の餌」というのも事実だけど、家畜も結構うまいコメを与えられてるんだと思った。流石冷凍保存だけのことはあるみたい。でも米国米はどうなんだ?って不安があるよね。しかも船で運ばれて、熱風に晒されて・・・。

やはり米も価格が上がったら売らないとね。欲を書くとそのうち下がっちゃって・・・。これから秋に向かいわけで、価格は落ち着くんじゃないかな。政府の備蓄米大放出は、上場直後の冷やし玉のようなもんだね。まだ、証券ってオーバーアロットしてますかねぇ・・・。最近見ないから分からんけどね。