材料出尽くしで冷静になる相場:日本株を読め!【12.16~12.20】

材料出尽くしで冷静になる相場:日本株を読め!【12.16~12.20】

12月13日(金)日経平均引値 ¥24,023(前週予想なし) 日経平均CFD ¥23,966

日米市場現状

FRBに拠ると来年の米国経済は、穏やかに成長軌道を描くということだ。従って現行の金利は多くの委員が来年は据え置きと意見表明していることが、非常に違和感がある。根拠は、絶好調と言える雇用状況、そして米中リスクの軽減だと言う。

だが、11月の小売売上高は予想の前月比0.5%増から実績は0.2%増に着地した。これは、米国の投資家に疑心暗鬼をもたらしただろう。クリスマス商戦が開始されるブラック・フライデーを経てもなお、前月比0.2%増というのは、いかにも数字的に弱い。

思えば昨年のクリスマス暴落は、背景に米中貿易戦争の他に消費の弱さがあった。そして今年11月の数字が弱いと、警戒感を持って当然の展開。米中合意は材料出尽くしとはならなかった半面、金曜ザラバ中の$150下落は小売売上高の数字を嫌気したのかもしれない。

一方日本市場は、米中合意歩道で約¥600の今年一番の上げ幅を記録した。まさに楽観相場そのもので、日経平均が¥24,000を取ってくる理由など、皆無に等しい。

経済と株価の乖離

米国ダウのPERは12月12日時点でPER20.9倍だ。これは2018年1月の大幅減税施行直後のPER28.15と比較すると、まったく低いように見える。この辺りが根拠となって、米国株は堅調に上昇するだろうと言う予想が成立する。対する日本市場は12月13日の大幅高によってPER14.44倍まで上昇した。

ファンダメンタルズを考慮すれば日米の株価の差異は納得できるもの。だが、日経平均のPER14.44倍というのは、2018年1月のPER15.72以来の高値である。そしてその時点での日経平均は¥24,000であった。

そこで日本経済の現状と先行きを考慮すれば、現時点での¥24,000というのは上出来であって、悪化に歯止めがかからない実体経済と乖離した水準とも言える。

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仮にPER15.72まで買われるとすれば、日経平均は¥26,100前後になるわけだが・・・。期末の決算を考えると、¥24,000は結構ないい水準となるはずだ。

悪化が止まらない日本経済

総務省の家計調査によると、10月の家計支出はなんと、5.1%減となった。これは増税に対する反動という見方で現時点では、処理されてしまっているわけだが、さらに11月は連続マイナス、となる公算が大となった。そこで安倍政権は26兆円の大型補正予算を年明けの通常国会で編成するわけだが、官邸サイドも景気の大幅後退を意識してのものだろう。

しかしそれでもなお、消費の悪化は止まる気配はないと言われていて、こうした日本経済の状況と米中合意は全く相関性がない。

2%の消費税増税で4兆6000億円の税収(軽減税率込み)で、実際に今年度の税収落ち込み分は約2兆円となっている。そして景気悪化を見越して大型補正予算を26兆円規模で組むという非合理。

これを繰り返している以上、日本経済は成長するはずがない。従ってその株価も先高観が見いだせるはずもない。

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何も変わらない米中関係

さて米中合意第一弾がまとまった。それに関しては、昨日の記事でまとめたので参考にしてもらえれば幸いです。

 

要するに、この合意内容を株式市場がどう評価するか?が来週の相場のテーマになるだろう。

米国ダウ日足チャート・テクニカル

米中合意を好感した買い物と内容に失望した売り物が交錯した金曜の米国ダウ。史上最高値は更新したものの、予想外の11月小売り売上高に失望した売り物もあったはずだ。

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少なくとも金曜の時点では、米国の投資家は合意内容を冷静に判断しようとした。その結果が、上髭を付けたということになる。従って、来週の米国ダウは、クリスマス休暇を視野に入れた取引になるだろうし、そうなるとヘッジ売りが優勢に推移する可能性がある。

今回の合意内容で、上値を追う展開は流石に予想し辛いし、そこまでのファンダメンタルズはないと見る。従って、米国ダウは高値圏の揉み合いを上放れできないのではないか。

日経平均日足チャート・テクニカル

一方の日経平均は、出来高を伴っての大幅高で¥24,000を奪還したものの、CFDは¥24,000をキープできなかった。こうした展開から、来週は売り優勢で推移するのではないかと予想する。

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すでに年内の材料はすべて出尽くしとなっている上に、11月の指標もそろそろアナウンスされると思う。従って、脱兎のごとく上値を駆け上がった日経平均は、一転して調整の孕み線になるかもしれない。

ジワジワと反落し、状況次第では下の窓を埋める動きになるだろうね。

12月20日(金)日経平均予想

米中問題に関するトランプ相場は一旦、冷静になる時間帯に突入するのではないか?と思われる。日本のみならず米国に関しても、米中合意を冷静に判断する時間になるだろう。

仮に大きな下落となると、トランプ大統領によるセンチメント相場にも、嫌気がさす。

従って、来週の日本市場は軟調な展開になるということで、

日経平均株価 ¥23,400 ドル円 ¥108.50

を予想する。

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