相場楽観も2020年の複雑な情勢を注視

相場楽観も2020年の複雑な情勢を注視

今年は年初から株式相場が絶好調。まず中国上海やら香港ハンセンが来て、そして欧州市場も軒並み高となったのを受けての米国市場はそれこそ三指数全面高。中国がらみとあってSOXは2%を超える上昇で、6日の大発会に向けて、スタートダッシュの準備完了という感じになった。

年初の相場模様

昨夜の米国市場はダウが何と$330高のほぼ高値引け。理由は中国が金融緩和をして景気底打ちから回復するだろうと言う・・・。なんだそれ?と言いたくなるけれど、現実はそういうことになった。しかも勢いづいてCFDはさらに$36高(8時現在)してるしね。けど、その割には米国債10年物金利は低下して、ゴールドも上昇してたりするので、そのあたりも従来の基準とは違ってきてる。

ゴールドなんかはもう通貨の代替資産というより、レアメタル的な扱いで「好景気=ひっ迫」みたいなそんな感じ。じゃ国債は?となるとよくわからないね。

そこでドル円が?と言うことだけど、一時¥108.210まで突っ込んで、現在¥108.598と戻しつつある。米国債が買われた分だけ、ドル高が進んだとも見えるし、ドル高予想だから米国債が買われたとも取れるけど、いずれにしても米国の年始相場はぶっ飛びの$330高で始まったと言うことだ。

さてさて、そうなって8時の段階では円高を嫌ってさほど反応を示さなかった日経平均CFDも、いま30分くらいの間に猛然と買われ始めた!¥60程度の上昇だったのに、今はすでに¥130高まで到達してる。これで、年末の下げを消して、6日の大発会は株高で始まる可能性が濃厚になってきた。

どうせ戻す、と思っていたけど、それ以上に株高スタートになるならば、個人的には大歓迎と言う感じ。大発会に株高になると、投資家マインドは楽観継続ということになって、年初からどの程度上があるのかという感覚から、まだまだ株は上昇する、というマインドになる。高値を追って欲しいね(懸念ばかりで難しいだろうけど)。

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ハイウッド映画のようなゴーン出国劇

年末年始の映画は、何故か「アナ雪2」みたいなのがヒットし、「STARWARS」は不人気と言われてるけど、いずれにしても大した作品がでなかった気がする。けれども、その代わり、と言ってはなんだが、いきなり超大作がロードショウされた(笑)。もちろん、カルロス・ゴーンの前代未聞の出国・逃走劇だ。

様々な報道があるのでどれが真実かは分からないけど、とにかく日産の幹部が司法取引をして不起訴になる代わりに全面的にカルロス・ゴーンは起訴され、現在保釈中の見であった。ゴーンにしてみると、日本の検察制度はいかにも人権を無視した拘留を行ったし、今回の事に関しては何か大きな力がバックで働いている、みたいなそんな恐怖感があったのかも。

これは、このままでは、一方的に有罪にされて臭い飯を食わされるかもしれないという・・・。自分は日産を救った英雄のはずで、日本に貢献しているという自負もあったろうし、それは実際にその通りだからね。誰もやりたがらなかった悪役(コストカッター)をやったというのは、大きいし、だからこそその後誰もゴーンを否定できなかったのだろうし、それも当然と言えば当然かもしれない。

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いずれにしても、保釈中のカルロス・ゴーンは、日本から逃亡するということを思いついた。このあたりが、日本人には理解できないことなんだが、世界中を股にかけて税逃れをやってきたゴーンにとってはさほど突飛なアイディアじゃないのかも。そこでいろいろ調べたら母国レバノンと日本とには身柄引き渡し条約はないということで、これならばとにかくレバノンに行けたら日本の司法は及ばない、というね、ハリウッド映画並みの結論に達したのだろう。

それにはまず、レバノン側と交渉して(買収して?)成立したら、後は出国方法だけ。それはもう世界にあまたある民間のエージェントに任せればプログラムしてくれるだろうからね。日本人には当局の権威は絶対で検察制度、司法制度に疑問を感じることはないのだろうけど、世界中諜報やスパイ活動は当たり前で、別に珍しいこともないのかもしれない。

世界では保釈条件としてGPS監視装置を義務付けられるけど、日本ではそれもなし。あとはコントラバスのケースに荷物扱いで忍び込んで、物理的に輸送してしまえ、みたいな荒っぽい手段。プライベートジェットの出国審査も大甘だってこともあるから、後はフライトプランだけ認められたら楽勝みたいな、そんな感じ。

で、今の状況は、本人が堂々とレバノンにいると発表して騒ぎになったという、なんとも滑稽な自体だよ。もちろん、レバノン政府とは話ができてるので、身柄の引き渡しには応じるはずもなく、レバノンでゴーンの容疑を捜査する、みたいなことを主張されたらどうにもならない。

世界を飛び回るような自由はICPOに指名手配されてるので難しいだろうけど、レバノンにいれば安心だろうし、日本の当局は追い掛けて言ってどうこうしようということはやれないからね。

こういう事態になって、改めて日本って国家は、北朝鮮に拉致されたり中国でスパイ容疑で拘束されたりしている自国民の救出でさえ動かないわけで、まして犯人が海外へ行ってしまったら、何もできないし、する力もない。そういう国家だということを思い知らされるよ。

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それにしても、楽しませてくれるなぁ・・・。

米国・イランの軍事衝突がある?

日本ではカルロス・ゴーン問題が話題の主流になってしまって、こんな時に肝心なニュースが伝わらない。そのひとつに米国とイランの対立激化がある。

すでに、米国はイラクの米軍基地に対しヒズボラの攻撃を受けて数人が死傷したことに対する報復を、イラン、シリアのヒズボラ(イスラム教シーア派武装組織)拠点に対し空爆を行った。その返しとして31日のイラク米大使館襲撃となった。

トランプ大統領はイラクに米兵750人を追加派兵するとしてにわかに緊張が高まっている。

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とにかくここにきて、北朝鮮やイランがまた行動を起こし始めたのは、裏に中国の影がちらつくのよ。米中合意にしても米国は一方的に15日米国内で調印と発表したわけだが、中国側からは何のコメントも出ていない。習近平にしてみれば、今回の米中合意は屈辱以外の何物でもないし、1日の香港100万人デモも米国に焚きつけられてると考えていて、ならば、北朝鮮やイランをけしかけて、みたいなことを考えても不思議じゃない。

ドル円が急激に円高方向に動いたと言うのも、この辺を懸念した動きかもしれないと思ったりね。まぁ、この辺は為替を睨んでおくしかない(原油も戻ってきたし)けどね。

まぁ、いずれにしても、今年は米国大統領選挙で、トランプ大統領にしても絶対に負けられないところだろうから、米国の軍事介入の可能性は一段と高い年。もしも、イランや北朝鮮に対して小規模ながらも軍事作戦を決行するようなことがあれば、それはトランプ再選を確実なものにする。

だがそれ以上に、これ以上株価が上昇したところで、大幅に共和党支持票が増えるわけでもなし。それよりも中国に農産物を買わせて、ドル安演出で製造業を救って、なんとか共和党支持票をまとめることを考えないと、1/3(33名)改選の上院議席過半数が守れなくなってくる可能性がある。

そうなるとトランプは上下院両議会を敵に回すことになるし、それは中国の狙いでもあるからね。

FRBはこれ以上金利には触らないと宣言しているわけで、ならばドル安を誘導する方法は、軍事介入しかないというのもポイントかもしれない。

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