戻り高値を試す週:日本株を読め!【3.30~4.3】

戻り高値を試す週:日本株を読め!【3.30~4.3】

3月27日(金)日経平均株価 ¥19,389(前週予想¥15,500)日経平均CFD¥18,770

日米相場概況

FRBと米国市場

米国ダウは23日(月)のザラバ安値$18,213を底にして、翌24日(火)には、FRBの3度目の緊急FOMCで実質的なQE入りを宣言する「無制限の金融緩和」表明によってドル買いに歯止めがかかるとともに、ヘッジファンドの破綻回避可能という観測から株式市場は上昇に転じた。まさに、株式市場、債券市場の暴落による強烈なリセッション入りを紙一重のところで回避した決定的な日になった。

仮に24日にこの表明がなかったならば、おそらくヘッジファンドの持つあらゆる金融資産は叩き売りされ、それでも価格暴落によってマージンコール(追証)に対応できたかどうかは分からない。ドル円は¥114.00~¥116.00あたりまで円安が急進し、引き続き株式市場は$16,000あたりまでの暴落になったと思われる。

そして折からの原油価格暴落と相まって、HYG(ハイイールド証券)、CLO(企業ローン担保証券)、MBS(住宅ローン担保証券)、CMBS(商業不動産担保証券)等は厳しい暴落となり流動性を失っていたかも知れない。そうなったら新型コロナ暴落は完全に金融危機による暴落に発展した可能性が高かった。

しかし、国債市場や短期債券市場に対する235兆円の資金供給を表明し、なお(新型コロナ蔓延による悪影響回避のために)無制限の資金供給を表明したことで、ようやくリスク市場に安心感が戻った格好だった。

日銀のETF買い

前週政策決定会合を前倒しして国債購入およびETF購入を6兆円/年から12兆円/年に増額という政策を打ち出した日銀は、3月17日に1,204億円、19日に2,004億円、23日に2,004億円の購入を行い、3月の購入累計は1兆222億円となった。同時に現在の保有ETFの平均取得価格を¥19,000~¥19,500であることを公表し、市場では¥19,500を黒田ラインと呼んでいる。

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しかし現時点ですでに上場しているETFの何と70%以上を日銀が取得しているということで、今後日銀の取得を目的に上場してくる投信も増加する可能性が大いに出てきている。

その効果もあって、当面の日本市場は2番底を目指したとしても、¥19,500は頑強なレジストラインと目されている。

米国ダウ日足チャート・テクニカル

基本的に急拡大する新型コロナ感染者数とは裏腹に、FRBの無制限QE宣言で戻り足を強めている米国ダウは、当面の底打ちを確認した格好になっている。重要なのは、27日の▲$915が、前日の下値を割らずに残ったこと。この形でいけば週初は上昇する確率が高いとみる。

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しかし、このところ毎週のように週末にネガティブ記事が満載されることから、センチメントは週末に弱る。したがって週初、押して始まれば$21,000近くまで押す可能性もあるが、基本的にはまだ戻りを優先させる動きが優勢になると思う。

いずれにしてもテクニカルでは25日線までは戻らないと話にならないし、実際に$23,000を目指す動きは止まらないと見る。本当の勝負は25線にタッチした段階で始まると思うが・・・どうだろう。

日経平均日足チャート・テクニカル

価格帯出来高を見ても、¥19,500水準がかなり重要なポイントであることは十分に分かる。そして、米国ダウがなんとか$23,000を目指すような動きを継続できるなら、日経平均は¥20,000越え、上手くいけば¥21,000タッチの水準まで戻すかもしれない。

しかし、一連の金融緩和による戻りが終了た場合、刻々と進行する新型コロナの状況に押される展開になるとともに、徐々に主力企業の下方修正または業績悪化観測の発表が増えてくる。そして、4月の第二週には、ほぼ2019年度決算の全容が記事になる。

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思った以上に厳しい業績と来期の観測もなかなかV字回復を示せない企業が多いだろうから、徐々に2番底を探る株価の動きにならざるを得ないのではないか。

また、輸出セクターの頭を重くするのはドル円で、円高の進行が日本株の頭を押さえる展開になりやすい。

ドル円日足チャート・テクニカル

とにかく大荒れのドル円相場。原因はいままで書いてきた通り、米系大型ファンドや産油国のドル買い需要の高まりだった。しかし、FRBがドル供給に言及し、十分な資金提供を行うとともに日本と連携してドル供給を強化すると発表し、日銀もまた呼応したことで落ち着きを取り戻し、円高方向に切り返した。

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しかし、なおも米国では米国債10年物が買われ、さらには原油価格も$21.86と極めて低水準を維持しているという、非常に厳しい状況にあるとともに、VIXは依然として65台という極めてハイボラな位置をキープしている。

こうなると、来週の株式市場のみならず、ドル円相場にもひと波乱ありそうな気配は感じられる。順当にいけば、ドル円は¥100を目指すだろうと思っている。それは新型コロナ感染状況における日本の状況が、大きく影響するのではないか?というのが根拠の一端ではある。

4月3日(金)日経平均予想

来週の株式市場は日米ともに、思ったほどは荒れないのではないか?という感じを持っている。つまり、とりあえずは日米ともに、25日線の接近するような動きになるはずだからだ。

したがって、個人的には、積極的に買うでもなし、さりとて売れるでもなしという中途半端な相場になると思っていて、それでも日中の値動きは¥500~¥800といったかなり荒っぽい動きにはなりそうなので、完全にデイトレさんのための相場、のような気がしている。

したがって4月3日(金)の日経平均株価は・・・

日経平均株価 ¥20,000 ドル円¥106.00

を予想する。

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