株修羅戦記:今週の振り返り【7.1~5】大怪我すると勉強する!

株修羅戦記:今週の振り返り【7.1~5】大怪我すると勉強する!

G20大阪が終わり、米中首脳会談の結果、貿易協議を4月の(中国が合意破棄以前)の状況まで巻き戻して、再開するという中身のない結論になった。

そして会議終了後の訪韓をG20直前に決めていたトランプ大統領は、「ツイッターで呼び掛けたら応じた」という演出とともに韓国との会談はスルーして突如朝鮮半島の軍事境界線(板門店)に向かい、金正恩と会談をしてしまった。

こうしたトランプ大統領の一連の行動が、株式市場に対するサプライズ(特に日本市場)として受け止められ、週初から大幅Uでスタート。イラン情勢も波乱はなく、世界的な株高となって波及し、独立記念日前日の3日は米国市場は軒並み史上最高値を更新すると言うエスカレートを見せた。

しかし、米国市場堅調の根底にあるのは、7月30日、31日のFOMCでの利下げ期待ということで、米国債10年物金利安、円高、原油安等々が粛々と進行した。

そうした堅調な米国市場を受けて日経平均も連動する形は、いつもと変わらず。月曜の大幅GUを維持する形で一週間の取引を終了。

7月1日(月)▲¥10,310,000

激怒するメイ首相 長身なので大迫力!

とにかくG20は、内容を観る限り何のための国際会議か?という内容だった。コーディネーターの安倍首相は経済的にはまったくまとまりを感じさせない米中欧を「上手くまとめた」と高評価。

しかし、電子商取引では主役を持たない日本が「大阪トラック」を提唱したところで、あまり意味を持たないし、海洋プラスチックゴミに関しては中国さえ投棄を止めたら済む話で、経済問題主体のG20は各国首脳の息抜き(社交)の場と化している。

従って国際会議よりも2国間会談が主体の社交場になってしまうのは、止むを得ない傾向だと思った。ただしそんな中でも、もはやレームダックの英国メイ首相が、ロシアのプーチン大統領に対し、英国内で起きた「ロシアスパイ暗殺事件」に対して面と向かって激怒したシーンが印象的だった。

週末のイベントを世界で最初に反映する日本市場が大幅GUスタートで、同時にG20での米中会談不調を予測したポジションが、完全に自爆してしまい、損失ベースでは1356万ものロスカットスタートになってしまった。恐らく板門店の演出がなければ、半分程度で済んだと思うと、非常に悔しかった。

週末に「空売り」に関して、2本ほど記事を書いた。一般になぜか「空売りは買いよりも危険」という風潮が蔓延していることを改めて調べたり、自分なりの考えをまとめておいた。

しかし、記事をアップと同時に大火傷をしてしまい・・・。もっともそれでも、考え方は微塵も変わりません。

 

7月2日(火)△¥1,810,000

トランプ・正恩 板門店にて

さて板門店の興奮が冷めやらぬ中、今度はイランの濃縮ウラン貯蔵量が6カ国核合意(米国は離脱済み)の枠組み(規制値)を超過したとの報道が舞い込み、また香港では週末のデモが暴動に発展し香港の議会に突入・占拠する事態へと発展した。

このイラン核合意こそ、G20で話し合うべき議題であるにも関わらず、臭いものにはすべて蓋をした社交の場では何も期待できない。

この6カ国合意とは、核開発をやめさせるものではなく、「枠を設けて許可している」という合意でまったく意味をなしていない。それが証拠にイランの核施設は、独仏の遠心分離機とうの設備で稼働している。つまり、独仏はイランに対し合意を飲ませることで、堂々とビジネスをしているわけだ。いつもながら外交とは二枚舌である。

そして香港のデモの仕掛け人(資金源)は恐らく米国だと思う。一国二制度維持というお題目を外させてしまうと次は台湾に波及し、先端技術はダダ漏れになる。しかし香港さえ押さえていれば、中国の金融は手も足も出なくなって人民元の国際決済ができず、ドルが還流しない。

その意味では中国封じ込めのためには関税を課すよりも有効には違いなし。G20合意の裏で米国は着々と中国を責め立てている。

この日からポジション的には、急上昇の反動を狙って売り坊復帰!めげずに空売り!世界経済は明らかに減速中!

7月3日(水)△¥6,940,000

フォンディアライエン次期欧州委員会・委員長

 

よくよく冷静に米国トランプ大統領の行動を観ると、ツイートにしても実際の政策にしても、すべては来年の大統領選挙のために、動いてることが分かる。

来年の大統領選挙は、民主党が真面目に候補者を立てると、トランプ再選が危うくなることは、米国の選挙制度上明らか。なので、共和党としては見栄も外聞も捨てて選挙に邁進するしかない。

これは、株式投資にとって極めて有効な発見、と思い記事にした。

これである程度、トランプ大統領の行動が先読みできると思う。自分でもニンマリ。

相場のほうは、急上昇の巻き戻しと言う観点から昨日建てたポジションが的中して、半分以上の穴埋めができた。韓国への半導体製造材料の輸出規制が、日本市場へはかなりのサプライズになったことも追い風。

韓国経済は3カ月後に息の根が止まる!?

ちなみにEUは、独裁の欧州委員会の委員長にドイツのフォンデアライエンという女性の国防大臣が就任することになった。同時にECB総裁はIMF専務理事のフランスのラガルドが滑り込む。

つまり、中国と何も変わらない独裁体制(EUは欧州委員会、中国は共産党)が維持されることになって、火種は持ち越されることになった。世界は民主主義だなんて嘘八百だ。

7月4日(木)△¥1,190,000

異例の独立記念演説で選挙対策!?

米国市場が独立記念日とあって休場。流石にこの日は海外勢も大人しく(欧州系のみ)日本市場はいたって薄商いで地味な相場になった。

こうなるとコツコツ取っていくしかないわけで・・・。

一応売り玉を建てるには建てたが、勝算はまるでなし。閑散に売りなし。

7月5日(金)▲¥1,670,000

参議院選挙スタート 党首第一声に耳を傾ける有権者(読売新聞より転用)

案の定、というか警戒感から半導体・電子部品は売られると思いきや、持ち越し銘柄すべてが裏目に・・・。ボラの少ない展開だったから良かったものの、非常に危ないポジションだったと反省。

これで完全に月曜の穴埋めの望みが断たれた格好。これ以上どうにもならなかった。

 

少し長いスパンで日本経済を観てみようと言うこともあるけれど、何と言っても参院選に突入ということで、各党の政策を吟味してみた。そうしてるうち、安倍首相は一体何がやりたいのか?という疑問になって、どうして日本経済は成長できないのか?という本質的な疑問に辿り着いた。

トランプ大統領は選挙にために(だけに?)政策をやってるわけだけど、日本の首相はどうなんだ?みたいな観点。するとやはり米国が日本に突きつけてる「年次改革要望書」に辿り着いた。

小泉内閣時代の2001年から民主党・鳩山首相時代の2009年に廃止されるまでの、国内政策はすべて米国の要望書通りになっていて愕然とする。つまり、毎年のように首相がコロコロが変わる体制であっても、この年次要望書があれば(誰がやっても)大丈夫なんだ、という空しさに襲われた。

経済は米中、政治は米国と日本の依存体制はますます色濃くなってきてて、このままでは日本経済、ダメだろと思うに十分。その上「消費税増税してデフレにする」のは、米国の要望であることは火を見るよりも明らかなんだよ。

国民から吸い上げて米国に貢ぐ。この図式が続く限り日本経済はダメだ。

 

もう一本。このサイト(ブログ)のテーマは短期投資なんだよ。その理由をしっかりと確かめた記事を書いた。株が上がるか下がるか、という当たり前の視点。しかし、これがすべてなんだよね。

なので、勝つためには個々人がそれぞれ、どちらを予測するかってことだけに掛ってる。従ってその予測確率を上げれば担ぎみ、勘でやったら勝率1/2で手数料貧乏。

俺の場合は、センチメント重視の姿勢。その理由も勝ています。

 

一週間の総括(-¥2,040,000)

今週はイベント満載の割に、底堅く動いてしまった週だった。金融相場でガチガチにかたまってるんで少々のことでは崩れない。しかもすべてはポジティブに解釈するという、大口(投資銀行やファンド)にとってはまことに都合のいい市場になってたね。

こうなると、トランプ・ツイートで思うがままに動く。

そんなある意味退屈な相場が来週も続くのかな?と思ってます。

ということで、来週以降も株式市場は「FRB利下げ期待」がベースにあって、その上で様々な出来事を織り込もうとするセンチメント重視の動きになることは確実。投資家のマインドは、この株価の位置では非常に移ろいやすいと思うから。

今週のマイナスは忘れます。週末は介護に注力!?(苦笑)